……あ、いた。リン！

絵名、どうしたの？ また何かあった？

違う違う、今日はそういうのじゃないの

あの時のこと、リンとミクにお礼を言いたくて……

やっほー、リン！

あれ、絵名も来てたんだ。 偶然だね～

……どうしたの？

あー……。私は……

わたしとミクに、お礼を言いに来てくれたんだって

ちょっと、リン！

お礼……？　もしかして、この前の？

そう。リン達にはお世話になったからね

え～、ボク達にも声かけてくれればよかったのに！

迷惑かけたのは私なんだから、 私ひとりで謝りたかったの

……絵名らしいね

でも、ホント偶然だよね～。 ボク達も、リン達にお礼を言いに来たんだよ

え……そうなの？

うん。この前は、わたし達も助けられたから

そっか……みんな、ありがと

じゃ、ミクを探しにいこっか！

今日はどこにいるかな～。 リン、ミクがどこにいるのか知らない？

知らない。今日はずっと見てないし、 もしかしたら遠くにいるかもね

そっか……。探すの時間かかるかな

あ……じゃあ、私達で歌わない？

歌……？

うん。……この前、私がセカイにいた時に リンの歌が聴こえてきたの

絵を描くのも嫌になって、 何も考えたくなくて耳を塞いでたのに……

絵名……

でも、今は違うから

今なら私も、あの時のリンみたいに ミクに届くような歌が歌えるかもって思うの

ミクに、届く……

ボク達の歌でミクを呼べたらすごいじゃん！ やってみよーよ♪

……来てくれるのかな

さあね、キミ達次第じゃない？

……はあ、もう少し前向きに 励ましてくれたっていいでしょ

悪いけど、励ますのは得意じゃないんだ。 力を貸してあげることはできるけど

力って？

一緒に歌ってあげてもいいよ

……本当、リンって素直じゃないよね

わかった、じゃあ一緒に歌おう。 ミクに、私達の歌が届くように——！

『限りなく灰色へ』！

ふう……

私達の歌、ミクに届いたかな……

あ……

ミク！　来てくれたんだ！

絵名達の歌、聴こえたよ。 力強くて……胸がギュっとした

絵名の気持ち、届いたみたいだね

ま、素直じゃない誰かさんが 力を貸してくれたしね？

ねえ、ミク、リン。……この前はありがとう。 あのあと私、真剣に絵と向き合うことができたの

そうなんだ……、よかった

まあ、まだ完璧とは言えないけどね。 でも上手く描けなくても、前よりは焦ってない、かな

そうなの？

うん、焦ってもしょうがないって気づいたんだよね

どうせ私達は、これからも 作り続けなきゃいけないんだし？

でしょ、まふゆ

……うん、そうだね

みんなも、見守ってくれてありがと

こうして見ていてくれる人がいるって思うと、 なんだか心強いよ

私、もうちょっと頑張ってみるから。 これからも私のこと、見ててくれる？

……ふふ、ありがと！

えななんが優しくて変な感じー

私が普段優しくできない原因は、 そっちにもあると思うけど？

え～？　全然身に覚えないけどな～？

ま、でも盛り上がってたみたいだし？ 全然いいんだけどね♪

じゃあ、そろそろ戻ろうか。 新しい曲作らないと

うん、そうだね！

ミク、リン、ありがと

みんなも、次の新曲楽しみにしててね！ ばいばい！

バイバーイ！

……またね