——そっか。まふゆはしばらく、 奏のところにいることになったんだ

ええ、落ち着くまで、って言っていたわね

まあ、そのほうがいいかもね。 あのままだと、まふゆも大変なことになってたと思うし

……うん……

今は、ゆっくり休めるといいな……

——みんな

遅くなってごめん。 作業してたら、時間が過ぎちゃってて……

別にいいけど……まふゆも気づかなかったの？

……うん。久しぶりにゆっくり作業できたから

そっか、それならしょうがないね

……まふゆ、元気そうでよかった

……うん。奏の家に行って……少し、落ち着いた

でも——あれから、ずっと、考えてるの

私がしたことは——本当に正しいことだったのか、って

だけど、考えても……答えは出なくて

言葉には出来ないけど…… 胸の中に、何かがずっとある

それが、何かは……わからない

まふゆ……

……それなら、歌ってみるのはどうかしら

え……

考えてもわからないことでも、 歌にすればはっきりするかもしれないわ

まふゆの胸につかえている、何かが

……そう、だね……

みんなも、一緒に歌ってほしい

そのほうが……何かわかるような気がするから

うん、歌おう

ま、断る理由もないしね

……ありがとう

じゃあ、歌うね。——『演劇』

……まふゆ、どうだった？

……少しだけ、つかえが取れた気がする

やっぱり、まだ……どうすればいいのか、わからないけど

でも……

——ここに……みんなと……いたい

まふゆ……

……瑞希、ありがとう

え？

私がここにいられるのは、 ……瑞希が言ってくれたおかげだから

逃げてもいい、って

……そっか。 まふゆの助けになれたなら、ボクも嬉しいよ

今はまだ、気持ちの整理がつかないかもしれないけど…… また何かあったら言ってよ

ボク達は、まふゆの味方だからさ

……ありがとう

——それじゃあ、今日は作業に戻ろうか

だね！　久しぶりに朝までやっちゃおっかな～

夜だと集中できるしね。 肌荒れするから、早めには寝たいけど

みんな、頑張ってね

うん。曲が完成したら、また来るね

またねー！

行こう、まふゆ

……うん

……ひとまずは、まふゆも大丈夫そうね

……うん……

まふゆ、苦しそうだったから ……よかった

そうね。いつまでも、このままというわけには いかないでしょうけれど——

あの子が、行動を起こせたのはよかったと思うわ。 あの子自身の心を守るために

……そうだね

ここから、あの子達がどう変わっていくのか—— しばらくは私も、見守ることにしようかしら