——よし。声出しもすんだし、そろそろ歌うか？

そうだな

……彰人、俺のわがままにつきあってくれてありがとう

ん？　一緒に歌うくらい 別にわがままでもなんでもねえだろ

だが、今日は練習ももう終わっている。 本当なら、喉も休めたほうが……

今さら遠慮してんじゃねえよ。 お前の誕生日だろ。お前がやりたいことをやればいい

つーか、オレに遠慮とか気づかいとかすんなよな。 オレ達は『相棒』だろうが

彰人……

そうだな。 では、頼む

おう

いくぞ。——『フラジール』

——ふう。 ふたりで歌うのも、やっぱ楽しいな

ああ。互いに背中を預けて歌う感覚というか、 ふたりで歌う時にしか得られないものがある

……彰人。 俺を相棒に選んでくれて、ありがとう

え、なんだよ急に……

ふと心に浮かんだから、言葉にしてみたんだ

だからってな……

——あ、そうか

ふたりで歌う時に感じるあれは、 きっと、彰人への感謝の想いなんだろうな

いや……まあ、そうかもしれねえけど……

かもしれないではなく、そうなんだ。 だから——

本当にありがとう、彰人。 これからも、共に歌っていこう

お前、よくそんな……

……ったく。 こっちこそよろしくな

——青柳くん、東雲くん！

……お、おう。 パーティーの準備できたのか？

うん、だから呼びに来たんだけど……。 ちょうど歌い始めるところだったから、 聴かせてもらってたんだ

ふたりとも、さすがだよね！ 息ぴったりでさ！

うん！　ふたりにしか作れない雰囲気があって、 すごくかっこよかったよ

それに～、よくは聞こえなかったけど、 歌ったあとなんか話してたよね？

彰人、冬弥に何か言われて照れてなかった？

は！？

ああ、それは——

バカ！　言わなくていいんだよ！

ふ～ん、照れてたことは否定しないんだ？

歌を聴いてたみんなは、 ひょっとして何か聞いたんじゃない？

げっ……！　いつの間にこんなに……

みんな、来てくれていたんだな。 ありがとう

……お前ら、別に何も聞いてなかったよな？

——聞いてなかったよな？

えっと……せっかくみんなも来てくれたし、 みんなで青柳くんのお祝いしない？

いいね！　しよしよ！

みんな、いくよー！　せーのっ——

『青柳くん、誕生日おめでとう！』

『冬弥、誕生日おめでとう！』

ありがとう。 こうして仲間からお祝いされるのは、やはり嬉しいな

みんなも、今日は本当にありがとう

俺はこれからも、 RAD WEEKENDを超えるイベントを作るため、 仲間と共に努力していこうと思う

よかったら、俺達の夢を応援してほしい

それじゃあ、メイコ達も待ってるだろうし、 そろそろ行こっか

ああ

みんな、またいつでもセカイに来てくれ。 では