お店の準備、そろそろ終わってるかな？

多分ね！

はあ、パーティー楽しみー！ 冬弥、私達で目いっぱい盛り上げるからね！

とか言いながら、なんでお前がテンション上がってんだよ。 主役は冬弥だろうが

ありがとう、彰人。 だが、あまり目くじらを立ててやるな。 俺も、盛り上げてもらったほうが楽しめるしな

あ、冬弥くん達じゃん！ やっほー！

迎えに行く手間が省けたね

カフェのほうの準備はもうできてるから、 みんなを呼びに行くところだったんだ

そうか。わざわざすまない

……あれ？ ……ルカさんから、なんだかいい匂いがする

……あ、ほんとだ。 紅茶？　ううん、ハーブかな？

お、杏ちゃん鋭いね！ 実はさっきまで、冬弥くんにプレゼントする ハーブの匂い袋を作っててさぁ

え、プレゼント？

ルカ。それ、言っちゃうんだ……

あはは。どうせすぐにわかることだしね

じゃあ、ついでに話しちゃおっかな。 そのハーブ、ミクが育ててたタイムっていうのを わけてもらったんだ

本当は、冬弥くん達が前に行ったキャンプ場の森の香りを 再現したかったんだけどね

森の香りを？

うん。そしたら、 いつでもあの時のことを思いだせるでしょ？

なるほど、それで匂い袋を……。 ありがとうございます、ルカさん

そのうち、ちゃーんと森の香りがする匂い袋が 作れたらなーって思うんだけど、それまで覚えてられそう？

はい。朝もやのしっとりした空気や、 聞こえてくる小鳥の声に葉のこすれあう音——

あのキャンプで得た経験や感覚はどれも新鮮で、 心も記憶にもしっかりと残っているので

冬弥が急に『森に行く』とか言い出した時は驚いたが、 オレ達にとってもいい経験だったな

『静かな森の中』っていうイメージを合わせられたおかげで、 練習してた曲もいい感じに歌えるようになったしな

うん！　ふふ、キャンプ、本当に楽しかったなあ。 みんなで囲んだ焚火とか、空一面の星とかすごく覚えてるよ

うんうん。あと、猫の手を頑張ってる冬弥とか、 木から降りられなくなってピンチな冬弥とか、 忘れられないよね！

猫の手はともかく、 後半は忘れてくれてかまわないんだが……

『ふふっ』 『あははっ』

んー、あの時のこと思いだしたら なんか歌いたくなってきちゃった！

ルカ、私達は冬弥達を迎えに来たんだけど？

そうだけど、歌って気分あげて行けば、 テンションアゲアゲでパーティーを楽しめると思うんだよね！

だからこのあいだみたいに、みんなで歌おうよ！

はい、ぜひ

もちろん私達も！

もう、みんながいいならしょうがないか

やったー！　ありがと、みんな！

じゃあいくよー！　——『ミライ』！

はあー、楽しかったぁー！ 冬弥くん達はどうだった？

とても楽しかったです。 自然とキャンプでの思い出がいろいろと頭をよぎって……

ああ、だから歌いながら笑ってたのか

え？

うん、青柳くん笑ってたよ

やっぱり、歌ってる時が一番 考えてることとか感じてることとかわかるんだよね、冬弥って

それだけ、歌に想いがこもってるってことかもね

集まってくれたみんなも すごく盛り上がってたんじゃないかな

ね、みんな

あ……。俺達の歌を聴いてくれていたのか

歌っている時、なんだか背中を 押してもらっているような感覚があったが……。 きっと、みんなの応援のおかげだったんだな

ありがとう、みんな

ていうか、冬弥のことをお祝いしに来てくれたんじゃない？

おー、そうみたいだね！ じゃあ、ここにいる私達でお祝いしちゃおう！

いいですね！　やっちゃいましょう！

よーし！　じゃあ、みんなも一緒にいくよ！

冬弥くん、誕生日おめでとう！

『おめでとう！』

おめでとう、冬弥

ありがとう

みんなも、ありがとう

俺達はこれからも、RAD WEEKENDを超えるために 仲間と共に努力を重ねていこうと思う

チームメンバー以外にも 同じ夢を目指せる仲間もできたしな

ああ。いつかその全員で、 最高のイベントを作って、最高の景色を見よう

うん！　絶対、実現しようね！

そのためにも、頑張って実力磨いていかないと！

そうだな

——みんな。 もしよければ、これからも俺達を見守っていてくれると嬉しい

それじゃあ、また

バイバーイ！